詩~mist

詩ーポエムー

ノックしてもでてこない
からっぽなわたし
なにかの代用品
しつらえた箱庭のなかで
きれいなオブジェにしてくれる?

ぽこんと光る
サーチライト

南十字を目指して
中央分離帯を通過する

あなたが躊躇せず
進むから

もう帰ろうよが言えなくて

日が暮れるよ

小さくなっていく背中に
精いっぱいの独り言

まだ冷えるって
鼻先が教えてくれる

うすよごれたTシャツ
ひるがえるスカート
たおやかなふくらはぎ

なにもかもがまぶしすぎて

別れ際の
また明日ね

本当は明日なんて
来ないかもしれないのに

いつもと同じ

さよならを言える
今をかみしめて

聞こえてくる
夕飯のしたくのおと

記憶の中の
連なったネギは
私の手のひらのなかで
おどってる

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