詩~通り雨

詩ーポエムー

カンカン照りの太陽から逃げだして
木陰でひと休み

お気に入りの小説を
取りだして
読みかけのページをめくってゆく

ポツポツポツ

頬にあたる

いつのまにか
降っていた

手持ちのハンカチは役立たず

ほてった体にここちいい
冷たい雨

水分を含んで張り付いたシャツが
何か言いたげで
少し怪訝な顔

帰りたいような
帰りたくないような

このままでいたいような
だけど
このままではいられないような

どっちつかずで
踏ん切りのつかないわたしを
一番近くで
見守ってくれる

遠くに見える晴れ間は
もうすぐそこ

今はまだ
もう少しだけ

あいまいなわたしのまま
居させてほしい

コメント

タイトルとURLをコピーしました