カンカン照りの太陽から逃げだして
木陰でひと休み
お気に入りの小説を
取りだして
読みかけのページをめくってゆく
ポツポツポツ
頬にあたる
いつのまにか
降っていた
手持ちのハンカチは役立たず
ほてった体にここちいい
冷たい雨
水分を含んで張り付いたシャツが
何か言いたげで
少し怪訝な顔
帰りたいような
帰りたくないような
このままでいたいような
だけど
このままではいられないような
どっちつかずで
踏ん切りのつかないわたしを
一番近くで
見守ってくれる
遠くに見える晴れ間は
もうすぐそこ
今はまだ
もう少しだけ
あいまいなわたしのまま
居させてほしい
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