引き出しに仕舞ったまま
置き去りにした
帽子のつばがほほえんで
祈りのポーズを作っていた
ひっくり返して
表面の皺をゆっくりとなぞる
こびりついた古い角質
似ていないつむじ
暴かないでほしい
額のあと
あからさまに
寝ていた証拠
わたし
ウォーターサーバーに
なりたかった
取り換えのできる
不純物のない世界
いつもより少し苦いそれを
必要な分濾していく
網目が青白く光って
教えてくれた
「不純物もわたしです」
水は流れる
上から下へ
蒸発してまた上へ
わたしはただ
きれいな水を
透明なガラス瓶に注いで
保管してみかった
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