詩~美しい恩寵

詩ーポエムー

ビルとビルの間
沈みゆく太陽とうっすら浮かぶ月の影

まだ暑い
まとわりつく湿った空気

どこかで蝉が鳴いている

搔き立てる
クラクション

かすかに混じる
今日の終わりを告げる香り

終わりと始まりが繰り返す

満ちていくための終わりに
気づかないでいたかった

浅はかなわたしは

見つけたそれを
軽々しく”愛”と呼ぶには
くすぐったくて

ただ
壊れないように抱きしめる

無造作に散らばった感性が
だれにも似ていない時を刻む

一つひとつ
かき集めて受肉する

それは確かにある
美しい恩寵

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